How to メンテナンス|スノースクート唯一のベアリングパーツ!ヘッドセットのメンテナンス

  • MAINTENANCE
FROM 吉田コオ17373 views

すっかりオフシーズンに入り、まだまだ滑り足りなかったなと感じている方も多いはず。
いまお家でやるべきことと言えば、愛車のメンテナンスではないでしょうか!
そこで今回は、スノースクートの中でも唯一のベアリングパーツであるヘッドセットについてお話をしたいと思います。

 

ヘッドセットって何?

ヘッドセットとは、フレームとフォークを繋げるパーツのことを示します。フレームのヘッドチューブの上下に付いているリング状のパーツですね。ヘッド”セット”という名の通り、上下のベアリングやトップカバー等複数のパーツで構成されています。

ここで重要なのは「ベアリング」というパーツ。日本語では軸受(じくうけ)と呼ばれるもので、回転する”軸”を支える部品です。リング状の部品の中に玉が入っていて、回転をスムーズにしてくれます。身近なもので言えば自動車や自転車、スケートボードや家電など、わたしたちの生活の中で本当に多く使用されています。
自転車の場合はヘッドセットに加えハブ(車輪の中央)にも使用されていますが、スノースクートの場合車輪がないのでこのヘッドセット部分だけにベアリングが使われています。これがあることで、自転車同様のスムーズなハンドル操作が可能になっているんですね。

 

最新のスノースクートはインテグラルヘッド

そんな重要なパーツであるヘッドセット。様々なタイプがありますが、スノースクートでは「インテグラルヘッド」というタイプのヘッドセットを採用しています。(2008年モデル以降)
こちらがスノースクートの完成車に付属してくるヘッドセット。左から順に、先程の図の上→下となります。
(トップカバー、ステンレスワッシャー、コンプレッションリング、ベアリング×2、下シール)
一番上のトップカバーは写真手前の低いタイプと奥の高いタイプがあり、モデル毎にどちらか1つが付属します。

インテグラルヘッドは、ヘッドチューブ、フォーク内側の受けに合わせて、ベアリングを装着します。ベアリングは「シールドベアリング」という密閉された構造となっており、組み立てしやすいだけでなく防塵、防錆の効果も抜群です。

 

※2007年モデル以前のスノースクートは、キャップ式スレッドレス(キャップ式アヘッド)というタイプのヘッドセットを使用しています。こちらはフレームのヘッドチューブに、ワンというベアリングパーツを専用工具で圧入して装着し、フォークコラム内部のスターファングルナットで引き上げるシステムです。
こちらのタイプのヘッドセットのメンテナンスは難易度が高いので、プロショップにお問い合わせください。

 


従来、ヘッドセットの交換やメンテナンスは専用工具での圧入や、熟練の技術による調整が必要なためショップにお願いすることが主流でしたが、このインテグラルヘッドが登場してからは圧入の必要もなく、格段にメンテナンスや組み立てがしやすくなりました。構造を理解するために、少しチャレンジしてご自分でメンテナンスや交換をしてみるのもおすすめです。

シーズンを通して、雪山で酷使したベアリングは錆つきやシールの剥がれなどにより消耗が激しくなります。この写真のようにバラバラになってしまったり、錆びついたりしてしまったらNG!こうなる前に一度メンテナンスしてみるのはいかがでしょうか?

 

ヘッドセットのメンテナンス・交換手順

■用意するもの

  • アーレンキー(六角レンチ)
    グリスまたは防錆潤滑スプレー
    パーツクリーナー
    交換用ヘッドセット(交換する場合)

まずは、ステムの横側のクランプボルトを緩め、上側のトップボルトを外しましょう。※最新モデルの場合、フォークコラムにネジ切りがされているのでトップボルトを外すだけでOKです。(鉄製のスターファングルナットを使用せず、アルミボルトだけで完結するので錆びることがなく、若干の軽量化もされているのでおすすめです!)

ステム、トップカバー、ステンレスワッシャー、フォークとベアリングの間を埋めているコンプレッションリング、ベアリング…と、上から順番に取り外していきます。

フレームからフォークを抜いて下のベアリングも外したら、パーツクリーナーを染み込ませた布でフレーム、フォーク、ヘッドセットの各パーツをしっかり拭いて綺麗にします。

ベアリングはパーツクリーナーをノズルで吹きかけ、手でコロコロ回したりしながら、内部の古いグリスやボールがすり減って出た金属粉などによる汚れを「溶かして流す」イメージで清掃をします。綺麗になったら乾いた布で拭いて良く乾かしてから、しっかりとグリスアップしておきましょう。
綺麗にしたら指で回して状態をチェック。ガタが大きく出ていたり、スムーズに回らない場合はシールが剥がれかけていたり中のボールがすり減っている可能性があり、交換のサインです。

各パーツが綺麗になったら再度組み立てていきます。ヘッドセットを取り付ける際は、フレーム、フォークのベアリングが接地する部分もグリスアップしましょう。

分解する前と同じ状態になるように組み立てていき、スペーサーとステムをつけたら上側のトップボルトを締めます。ここで注意。

トップボルトを閉めるときは、ガタつきが出ないように確認しながら締めましょう。

この締め付けでヘッドセットの重要パーツ「ベアリング」の”アタリ”を調整しています。時々、思いっきり締めているスノースクートライダーさんを見かけることがありますが、締めすぎは厳禁。締め込みすぎると回りが悪くなり、かといって緩すぎるとガタつきがでます。仮締めした状態で前後左右に動かしてみたり、ハンドルを切ってみたりして、ヘッドセット部分の動きをしっかり確認しましょう。この調整は何度かやって覚えることをオススメします!

最後に、ステムとフォームの位置を確認し、まっすぐにした状態で、横側のクランプボルトを締めて完了です!

今回、ヘッドセットを交換するタイミングで、スペーサー5mmを追加してみました。スペーサーの高さで乗り味も変わってきますので是非お試しください。

 

オススメのヘッドセットご紹介

スノースクートで使用するシールドベアリングは内角45°/外角45°を使用しており、BMXのヘッドセットと互換性があります。BMXのヘッドセットはバリエーションが豊富!この機会に、おすすめヘッドセットをご紹介いたします。

 

■RANT Bang Head Set

アメリカのBMXパーツブランドRANTは、手頃な価格でカラーバリエーションも豊富!15mmのキャップと5mmのスペーサーが付属しております。

 

■RANT 1 1/8″ Threadless Headset

こちらは同じくRANTのキャップ式スレッドレス(キャップ式アヘッド)タイプのヘッドセット。スノースクートは2007モデル以前のものに適応します。メンテナンス・交換はショップへのお問い合わせをオススメします。

 

■Flybikes Rotar Headset

数々のパーツ革命を起こすFlybikesからは、トップカバー、ステンレスワッシャー、コンプレッションリングが一体型となった驚きのシステム。トップカバーのサイズを選択でき、XLサイズにはボトムレーススペーサーと言われる下側につけるスペーサーがついてきます。この効果も気になるところです。(写真はノーマルサイズです)


 

MAKIND Integrated Headset

ドイツのBMXブランドMANKINDのヘッドパーツは、キャップ部分にCNC/切削加工が施されております。

 

メンテナンスすることで長く愛用できるスノースクート。
この機会にパーツの構造を理解し、来シーズンに向けていじってみるも良いのではないでしょうか。

今回ご紹介させていただいたアイテムは、JYKK JAPAN ONLINE STOREでもご注文可能です。
送料無料キャンペーンも5/31まで延長中!この他にも魅力あるヘッドセットがたくさんあるので、お家時間にのんびりチェックしてみてください!

関連記事一覧

PHOTO&MOVIE

「Matt Roe – Signature line riding video」|フォト&ムービーセレクション

こんにちは。BMXライダー兼ジックスタッフのヒデオです。 フォト&ムービーセレクションという事で、個人的な目線で…

FROM 渡邉英雄 3451 views
PROTECTORPRODUCTS

パッドで簡単カスタム!タフなフレーム&バーパットご紹介!

スノースクートのハンドルバーやステム、フレームのトップチューブなどに取り付ける保護パッド類。フレームへの傷を防いでくれた…

FROM 吉田コオ 5600 views
HOW TO

Jykk HOW TO SNOWSCOOT® #7 パウダーライディングの楽しみ方

Jykk Snowscootがお届けするウィンタースポーツギアSNOWSCOOT®(スノースクート)のHOW TOシリー…

FROM JykkSnowscoot R&D 3042 views
HOW TOCOLUMNFROM RIDER

リップを抜ける瞬間、僕が頭の中で考えていること。今シーズン初のガッツリパークライディング!

先週末の3連休は、X-JAM高井富士の地形やパークで遊んで来ました☆ この地域も例年より雪が少ないですが、アイテムたくさ…

FROM 小栗 '白石' 貴大 3597 views
RIDING REPORTCOLUMN

MTBライダー西窪 友海がスノースクートに乗ったら?

まずはこちらをご覧ください! 街中を縦横無尽に走り、自転車を自由に操るのはプロMTBライダーの西窪 友海くん! 12歳よ…

FROM 吉田コオ 5595 views
PRODUCTSFROM RIDER

麻生航太の自信作がついにリリース!初のシグネーチャーモデル「AK-1」開発に込めた想い

Jykkライダーの麻生航太です。ついに、僕の夢が叶いました! 今回のマガジンでは、今シーズンより新しくラインナップに加わ…

FROM 麻生航太 2379 views
COLUMNFROM RIDER

地道な積み重ねで恐怖心を克服!ニュージーランドSnowscoot合宿振り返り

こんにちは!コウタです。 今回のマガジンはニュージーランド合宿の振り返りです。もたもたしてたら、帰国から約2ヶ月がたち日…

FROM 麻生航太 3377 views
EVENT REPORTFROM RIDER

小栗貴大「Dyna Slopestyle 02」開催レポート

こんにちは。 JYKK SNOWSCOOTの小栗です。 マガジンでは久々の登場となりますが、今年もDyna Slopes…

FROM 小栗 '白石' 貴大 3125 views

人気記事ランキング

MAINTENANCEHOW TO

How toメンテナンス|Snowscootのエッジ調整をし…

25498 views
HOW TO

基本がわかれば安全に練習できる!初心者向けスノースクートの滑…

23037 views
HOW TO

Jykk HOW TO SNOWSCOOT® #1 スノース…

20699 views
RIDING REPORTHOW TOFROM RIDER

Snowscoot Jibs|ちょっとしたHow toと共に…

20596 views
PRODUCTSFROM RIDER

カスタムSnowscoot| 72cm幅にカット!Jykkラ…

20531 views
HISTORYCOLUMN

HAPPY NEW YEAR 2020!2020年はじまりの…

19656 views
RIDING REPORTHOW TOFROM RIDER

成功出来るイメージをしてから、出来ると信じて挑戦する|小栗'…

19637 views
MAINTENANCE

How to メンテナンス|スノースクート唯一のベアリングパ…

17373 views
COLUMNFROM RIDER

“10FISルール” 知っていますか?国際スキー連盟が定める…

17304 views
MAINTENANCE

シーズン終了のメンテナンス #2|オフシーズンの保管は居間が…

14450 views
HOW TO

難しそうに見えるけど実は簡単!スノースクートでリフトに乗ろう…

11418 views
PHOTO&MOVIECOLUMN

「Can-Can / No Foot Can-Can 」足の…

10746 views
HOW TO

スノーボードやスキーとほぼ一緒でOK!スノースクートをするた…

10727 views
MAINTENANCEHOW TO

How toメンテナンス|Snowscootのエッジ調整をし…

10488 views
PRODUCTSHOW TO

乗り味が大きく変化する!スノースクートのカスタムに最適なBM…

10394 views

掲載時期別に見る

フリーワード検索