How to メンテナンス|スノースクート唯一のベアリングパーツ!ヘッドセットのメンテナンス
- MAINTENANCE
すっかりオフシーズンに入り、まだまだ滑り足りなかったなと感じている方も多いはず。
いまお家でやるべきことと言えば、愛車のメンテナンスではないでしょうか!
そこで今回は、スノースクートの中でも唯一のベアリングパーツであるヘッドセットについてお話をしたいと思います。
ヘッドセットって何?
ヘッドセットとは、フレームとフォークを繋げるパーツのことを示します。フレームのヘッドチューブの上下に付いているリング状のパーツですね。ヘッド”セット”という名の通り、上下のベアリングやトップカバー等複数のパーツで構成されています。
ここで重要なのは「ベアリング」というパーツ。日本語では軸受(じくうけ)と呼ばれるもので、回転する”軸”を支える部品です。リング状の部品の中に玉が入っていて、回転をスムーズにしてくれます。身近なもので言えば自動車や自転車、スケートボードや家電など、わたしたちの生活の中で本当に多く使用されています。
自転車の場合はヘッドセットに加えハブ(車輪の中央)にも使用されていますが、スノースクートの場合車輪がないのでこのヘッドセット部分だけにベアリングが使われています。これがあることで、自転車同様のスムーズなハンドル操作が可能になっているんですね。
最新のスノースクートはインテグラルヘッド
そんな重要なパーツであるヘッドセット。様々なタイプがありますが、スノースクートでは「インテグラルヘッド」というタイプのヘッドセットを採用しています。(2008年モデル以降)
こちらがスノースクートの完成車に付属してくるヘッドセット。左から順に、先程の図の上→下となります。
(トップカバー、ステンレスワッシャー、コンプレッションリング、ベアリング×2、下シール)
一番上のトップカバーは写真手前の低いタイプと奥の高いタイプがあり、モデル毎にどちらか1つが付属します。
インテグラルヘッドは、ヘッドチューブ、フォーク内側の受けに合わせて、ベアリングを装着します。ベアリングは「シールドベアリング」という密閉された構造となっており、組み立てしやすいだけでなく防塵、防錆の効果も抜群です。
※2007年モデル以前のスノースクートは、キャップ式スレッドレス(キャップ式アヘッド)というタイプのヘッドセットを使用しています。こちらはフレームのヘッドチューブに、ワンというベアリングパーツを専用工具で圧入して装着し、フォークコラム内部のスターファングルナットで引き上げるシステムです。
こちらのタイプのヘッドセットのメンテナンスは難易度が高いので、プロショップにお問い合わせください。
従来、ヘッドセットの交換やメンテナンスは専用工具での圧入や、熟練の技術による調整が必要なためショップにお願いすることが主流でしたが、このインテグラルヘッドが登場してからは圧入の必要もなく、格段にメンテナンスや組み立てがしやすくなりました。構造を理解するために、少しチャレンジしてご自分でメンテナンスや交換をしてみるのもおすすめです。
シーズンを通して、雪山で酷使したベアリングは錆つきやシールの剥がれなどにより消耗が激しくなります。この写真のようにバラバラになってしまったり、錆びついたりしてしまったらNG!こうなる前に一度メンテナンスしてみるのはいかがでしょうか?
ヘッドセットのメンテナンス・交換手順
■用意するもの
- アーレンキー(六角レンチ)
グリスまたは防錆潤滑スプレー
パーツクリーナー
交換用ヘッドセット(交換する場合)
まずは、ステムの横側のクランプボルトを緩め、上側のトップボルトを外しましょう。※最新モデルの場合、フォークコラムにネジ切りがされているのでトップボルトを外すだけでOKです。(鉄製のスターファングルナットを使用せず、アルミボルトだけで完結するので錆びることがなく、若干の軽量化もされているのでおすすめです!)
ステム、トップカバー、ステンレスワッシャー、フォークとベアリングの間を埋めているコンプレッションリング、ベアリング…と、上から順番に取り外していきます。
フレームからフォークを抜いて下のベアリングも外したら、パーツクリーナーを染み込ませた布でフレーム、フォーク、ヘッドセットの各パーツをしっかり拭いて綺麗にします。
ベアリングはパーツクリーナーをノズルで吹きかけ、手でコロコロ回したりしながら、内部の古いグリスやボールがすり減って出た金属粉などによる汚れを「溶かして流す」イメージで清掃をします。綺麗になったら乾いた布で拭いて良く乾かしてから、しっかりとグリスアップしておきましょう。
綺麗にしたら指で回して状態をチェック。ガタが大きく出ていたり、スムーズに回らない場合はシールが剥がれかけていたり中のボールがすり減っている可能性があり、交換のサインです。
各パーツが綺麗になったら再度組み立てていきます。ヘッドセットを取り付ける際は、フレーム、フォークのベアリングが接地する部分もグリスアップしましょう。
分解する前と同じ状態になるように組み立てていき、スペーサーとステムをつけたら上側のトップボルトを締めます。ここで注意。
トップボルトを閉めるときは、ガタつきが出ないように確認しながら締めましょう。
この締め付けでヘッドセットの重要パーツ「ベアリング」の”アタリ”を調整しています。時々、思いっきり締めているスノースクートライダーさんを見かけることがありますが、締めすぎは厳禁。締め込みすぎると回りが悪くなり、かといって緩すぎるとガタつきがでます。仮締めした状態で前後左右に動かしてみたり、ハンドルを切ってみたりして、ヘッドセット部分の動きをしっかり確認しましょう。この調整は何度かやって覚えることをオススメします!
最後に、ステムとフォームの位置を確認し、まっすぐにした状態で、横側のクランプボルトを締めて完了です!
今回、ヘッドセットを交換するタイミングで、スペーサー5mmを追加してみました。スペーサーの高さで乗り味も変わってきますので是非お試しください。
オススメのヘッドセットご紹介
スノースクートで使用するシールドベアリングは内角45°/外角45°を使用しており、BMXのヘッドセットと互換性があります。BMXのヘッドセットはバリエーションが豊富!この機会に、おすすめヘッドセットをご紹介いたします。
■RANT Bang Head Set
アメリカのBMXパーツブランドRANTは、手頃な価格でカラーバリエーションも豊富!15mmのキャップと5mmのスペーサーが付属しております。
■RANT 1 1/8″ Threadless Headset
こちらは同じくRANTのキャップ式スレッドレス(キャップ式アヘッド)タイプのヘッドセット。スノースクートは2007モデル以前のものに適応します。メンテナンス・交換はショップへのお問い合わせをオススメします。
■Flybikes Rotar Headset
数々のパーツ革命を起こすFlybikesからは、トップカバー、ステンレスワッシャー、コンプレッションリングが一体型となった驚きのシステム。トップカバーのサイズを選択でき、XLサイズにはボトムレーススペーサーと言われる下側につけるスペーサーがついてきます。この効果も気になるところです。(写真はノーマルサイズです)
MAKIND Integrated Headset
ドイツのBMXブランドMANKINDのヘッドパーツは、キャップ部分にCNC/切削加工が施されております。
メンテナンスすることで長く愛用できるスノースクート。
この機会にパーツの構造を理解し、来シーズンに向けていじってみるも良いのではないでしょうか。
今回ご紹介させていただいたアイテムは、JYKK JAPAN ONLINE STOREでもご注文可能です。
送料無料キャンペーンも5/31まで延長中!この他にも魅力あるヘッドセットがたくさんあるので、お家時間にのんびりチェックしてみてください!