How toメンテナンス|Snowscootのエッジ調整をしよう#2 エッジに角度をつける「ビベリング」で滑走性能さらにアップ!
- MAINTENANCE
- HOW TO
How to ボードチューンナップ第2弾!今回はもう一歩進んだエッジ調整「ビベリング」についてご紹介します。カービングを極めたい方、レースが好きな方、パークライディングが好きな方にもぜひおすすめしたい調整です。
■ビベリングとは?
ビベルとは斜角という意味。エッジに角度をつけることをビベリングと呼びます。
前回のダリングの記事でもご説明したとおり、みなさんのお手元に届くボードは、工場で生産されたままの、まだ何も調整されていない状態で、エッジは雪面に対して90°(直角)になっています。
そのままでも滑ることはできますが、エッジにある程度角度をつけると、エッジが引っかかりにくくなり、滑走しやすくなります。
ダリングでは使わない部分を丸めましたが、今回は使う部分なので、丸めるのではなく、角度をつけます。
ベースに角度をつけるだけだとターン時にエッジを有効的に使えない場合もあるので、さらにサイドエッジ角を調整し、板を傾けた状態でしっかりエッジが食い込むように調整をします。直進時にはひっかかりにくく、でもターンをした時にはエッジを最大限に使えるように調整をする、これが「ビベリング」です。
■ビベリングの角度
一般的な角度は、ベースエッジを1°落として、サイドエッジ角を89°にする調整です。この角度で調整すると、エッジ角は90°になります。Jykkライダーたちもこの角度にしていますよ。
スキーのレースの世界では、サイド角をもっと削って鋭角にする場合もあるようです。ライディングスタイルに合わせて調整しましょう。
この調整により、雪面にエッジが90°で食い込む、「一番エッジが食う」ボードの角度が変わります。より傾けた時に食い込むようになる、という訳です。
■ビベリングのやり方
ダリングと違いビベリングは高度な技術を必要とするので、基本的にチューンナップショップにお願いすることをおすすめします。この記事では、チューンナップショップにお願いした場合にどんな風に調整してくれるのかをご説明します。
まずは画像のようなガイド付きのファイルでベースエッジを削っていきます。
ベースを落としたら、ボーダーカッター(エッジの上にある出っ張り部分)で下準備。
そしていよいよ、こちらのような、ガイドをつけたファイルでサイドエッジを削ります。
ダリングの時と同じように、最後はヤスリなどで仕上げます。
プロのチューンナップショップではこんな機械を使うことも。全ての機材を揃えるのは大変ですし、何より細かな調整なので、ビベリングはプロにお願いしましょう。
レース用のボードは特にビベリングをおすすめします。
いかがでしたか?ボードの性能を引き出すビベリング、一度やるとこれ無しでは滑れなくなるくらい乗り味が変わるので、ぜひ試してみてくださいね。
今回の記事も志賀高原のスキープロショップ NORD Ichinose 梅本さんにご協力いただき作成しました。
フォトグラファーであり、スキーヤーであり、メンテナンスのプロである梅本さんは、夏期は東京目黒、冬期は志賀高原の店舗で活躍中。ぜひ会いに行ってみてくださいね!
NORDのWebサイトはこちら
Special Thanks Masato Umemoto
All Photos by Naoki Gaman