How toメンテナンス|Snowscootのエッジ調整をしよう#1 ダリングをして滑りやすいボードにチューンナップ!!
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スノースクートライダーのみなさんは、ボードのチューンナップ、していますか?
もちろん!というベテランライダーの方もいれば、何それ??という初心者の方もいるかと思います。
チューンナップというと一部のプロがやることのようなイメージがあるかもしれませんが、実は初心者の人にこそおすすめの調整もあるんです。
■そもそも、ボードチューンナップって何?
販売店さんによってはボードチューンナップのオプションつきで販売されているお店もありますが、それ以外の場合、みなさんのお手元に届くボードは、工場で生産されたままの、まだ何も調整されていない状態です。
もちろん、そのままでも滑ることはできますが、滑る時に必要ないエッジ※の一部を削ったり、自分の滑りに合わせてエッジやソールを調整したりする「チューンナップ」をすることで、より滑りやすくなり、上達も早くなります。
※エッジ:ボードの裏側=”ソール”のまわりについている金属部分のこと
スキー、スノーボードではおなじみのチューンナップ。専門のショップや、スキー場でのチューンナップサービスなどもあり、シーズン前や大会前などにはチューンナップ待ちのスキー、スノーボードで溢れる店内で、スタッフの方が職人技でチューンナップをされている光景を見ることができます。
チューンナップには様々な種類がありますが、スノースクートもスキーやスノーボードと同じ素材で作られているので、ほぼ同様の調整をすることができますよ。(対応可能な内容はお店によって異なりますので、事前の確認をおすすめします。)
今回はそのボードチューンナップの中から、ご自分でもできるエッジの調整「ダリング」についてご紹介します。
■ダリングとは?
ダリングというのは簡単に言うと使わないエッジをヤスリなどで丸めることです。
スキーの業界では別の呼び方をしたりすることもあるそうですが、スノーボード業界ではこのダリングという呼び方が一般的とのことですので、ここではダリングとしてご説明していきます。
滑走時に必要ない部分のエッジが尖りすぎていると、雪面にひっかかりコントロールが難しくなったり、場合によっては不意に転倒してしまうこともあります。ダリングにはこういった「ひっかかり」を少なくし滑りやすくする効果があり、初心者の方にもおすすめしたい調整です。
転倒時など、万が一他の人にぶつかってしまったときも、怪我をさせにくくするという効果もあります。
目安としてはボードの前後、平置きした時に雪に接しない部分(上に反り返っている部分)を丸めます。
参考に、Jykkのベテランライダー我満隆のおすすめはこの画像の色がついている範囲です。
カービングが好きな方はあまり広範囲を丸めないようにしていますし、BOXやレールなど、JIBが好きな方は逆にほとんどのエッジをまるめてしまうこともあります。(極端な例では、JIBのためにエッジを丸めすぎてアイスバーンでエッジが効かない!でもJIBが好きだから関係ない!という方も。)
自分の好みのライディングに合わせた調整をしましょう。
■ダリングのやり方
ダリングする範囲を決めたら、このように「ファイル」と呼ばれる道具でエッジを削っていきます。
ファイルがない場合は紙ヤスリでも代用が可能です。
不要なエッジを削る作業なので、あまり構えず気楽にやってしまって大丈夫です。
不安な場合は購入したショップや、まわりのベテランライダーさんに聞きながらやるか、チューンナップショップに持ち込むのも良いでしょう。ショップに行って色々な話を聞くのも上達への近道です。
削った後は残ったギザギザを取るために、サビ取りなどに使う「エッジエライザー」で擦って仕上げをします。ない場合は、こちらも紙ヤスリで代用可能です。
エッジエライザーとは、サビてしまったエッジを消しゴムのように擦って磨く道具です。画像のように擦ると、ある程度のサビは取り除くことができますよ。ひとつ持っていると便利です。
スキー、スノーボードのプロショップや量販店のスキー、スノーボードのメンテナンス用品売場などで購入できます。
初心者の方がはじめに練習することが多い人気のグラトリ「スライド360°」がなかなかできなかったライダーさんが、ダリングをしたらすぐにできるようになった!という例もこれまでかなり多くありました。
ちょっとの手間でボードコントロールのしやすさが格段にあがりますので、ぜひ試してみてくださいね。
前回のワックスの記事に続き、今回も志賀高原のスキープロショップ NORD Ichinose 梅本さんにご協力いただき作成しました。
フォトグラファーであり、スキーヤーであり、メンテナンスのプロである梅本さんは、夏期は東京目黒、冬期は志賀高原の店舗で活躍中。ぜひ会いに行ってみてくださいね!
NORDのWebサイトはこちら
Special Thanks Masato Umemoto
All Photos by Naoki Gaman
次回のHow toメンテナンスでは、もう一歩踏み込んだエッジ調整「ビベリング」についてご紹介します。