雪の海を走る。
- COLUMN
スタッフのMasaです。
ふわっふわの深雪を踏み締めてきました。
このツアーのはじまりは、富山から上京することを決めて既に引越し先の物件契約も済ませていたNatsuki Taniguchiを、雪山ツアーの帰りに同乗させようというものでした。
もちろん、試乗会やイベントなどの開催もたまたま予定されていたからではありますが、結果的に、僕たちに富山のまだ見ぬ景色や新たな気持ちよさを体感させてくれることになったのでした。
そして、本記事で使用させていただく写真は全て、彼のフィルムカメラによるものです。ありがとう、タニ。
まず、荷室ぱんぱんにSnowscootを積んだ黒いハイエースは東京をたち、富士見パノラマリゾート、ダイナランドでのスノースクート試乗会やイベント、ゲレンデセッションを経て、富山県富山市のTOOLATE SPORTSに到着。
個人的には、昨年11月におこなった隠居CUPぶりだったのですが、いつきても落ち着くし楽しいお店。
TOOLATEビルのフロントは雑貨屋さんといいますか、中古品店といいますか、掘り出せば、「こないだお祭りでとった金魚」や「戦時中、実際に使われていた防空頭巾」までナンデモ出てきそうな勢いのリユースショップになっていて、毎回どんなものが置いてあるんだろ〜ってワクワクするお店になってます。
僕もだいぶ前に雪駄を買いましたが、未だ大事に履いてます。前回は100円200円で売られてた中古本をたくさん買っていったっけな。
もちろん、BMXやSnowscoot、シティサイクルまで豊富なラインナップが用意されており、上にはインドアスケートパークもある、「欲しい」や「楽しい」を全て詰め込んだビルになってます。
お近くの方、観光で富山を訪れた方、気になる方はぜひ、足を運ばれてはいかがでしょうか。
そして夜はローカルライダーおすすめの、板前が焼くジンギスカンのでる居酒屋「サントス」でしっぽり乾杯。
雪山の朝は早えーぞ、ということで翌日に備えて早めの就寝。
太陽もまだ眠っている時間に車を走らせ、少し寂しげな村をかこむ、名前もなさそうな山の麓に到着。
都会の人間からしたら、熊でも出るんじゃないか、なんて心配にかられるような獣道をTOOLATE SPORTSの御二方の案内でハイクアップ。
御二方が目をつけるほどの山ということもあってか、そのキツい斜度もさることながら、文字通り、1歩踏み違えたら溺れてしまうような深雪でした。
Snowscootをピッケル代わりに6人で助け合い、雪を踏みしめながら足場を固めて登っていく姿は、外からみればある種の雄々しさを感じられたと思いますが、それはただ、動物すらまだ触れていない新雪の斜面を滑りたいという、大人たちの遊び心なのであります。
ぜぇはぁと息を切らしながらもようやく、狙っていた地点まで登ったところで山のかげから、すこし遅れて顔をだした朝日を拝んだのでした。
「1998年の冬、大学の友達と雪山へ遊びに行った時の思い出」のような情緒溢れる写真。
そして、誰がどこを滑る、誰からいく、あそこは危ない、写真はどこから撮る、なんて聴き慣れているようで実は少し新鮮な会話が始まり、セッションスタート。
バックカントリーと呼ばれるところで滑るのは初めてで、先も見えないような落差があったり、どのくらいのスピード感で滑っていくなんてことも知らないもので、やはり腰が引けちゃいました。
「こわ〜い」なんて、弱々しく情けない声を出しながらもみんなの後を追い、滑っ、いや転がり落ちていきました。
ご覧の通り、体がすっぽりと沈んでしまうのです。立ち上がるのも一苦労。
殴ろうとしても殴ろうとしても絶対に拳が当たらない夢の中での喧嘩のような、もがいてもがいても沈んでいくだけの悪い夢をみてるような、なんというか。
颯爽と滑っていく先輩達はやはりカッコ良かったです。
僕もなんとか、少しだけ滑ることができました。
ふわっふわでなめらかな、真っ白い雪の海を走るような、日常生活では絶対味わえない感覚が人々を虜にするんだろうなと、身をもって感じられた気持ちのいい朝でした。
東京に帰ってきた今でもまだ、体の奥深くに覚えているあの浮遊感、もう一度滑りたい!
Snowscootの貸出をしている各地のスキー場、僕たちが開催している試乗会にもぜひ遊びにきてみてください。
皆さんの、「楽しさ」や「気持ちよさ」の枠をさらに、大きく広げてくれる乗り物です。
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ご不明な点などは、info@jykk.com までお気軽にお問い合わせください。
Photo : Natsuki Taniguchi