ライダーの夢「シグネチャーモデル」JykkSnowscoot 過去20年間の全シグネチャーモデル一挙紹介
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- Snowscoot Magazineをご覧のみなさんこんばんは。各地で梅雨入りし、じめじめした日が増えましたが、気持ちの良い夏を楽しみに雨の日々も有意義に過ごしたいですね。
梅雨の憂鬱な気分を吹き飛ばすかのように、先日、日本のBMX界にビッグニュースが飛び込んできましたが、スノースクートライダーのみなさんもチェック済みでしょうか?Jykk Japan BMX部門のニュースでご紹介済みですが、日本が誇るBMXパークトップライダー「中村輪夢」の、シグネチャーモデルのフレームがリリースされたんです!
中村輪夢シグネチャーモデル SUBROSA BRAND Flight Frame
Jykk取り扱いブランドでもあるアメリカ・フロリダのBMXブランド「SUBROSA」は多くのトップライダーをサポートするビッグブランド。
9歳の時からサポートを受けていた中村輪夢はメキメキと力をつけ、2019年4月のUCIワールドカップ第一戦「FISE広島」で準優勝し初めて世界大会プロクラスでの表彰台に。さらに7月には招待選手しか立てない夢の舞台「X-GAMES」への出場権を勝ち取っただけでなくシルバーメダルを獲得。
そして11月、UCIワールドカップ最終戦の「FISE成都」にて世界大会初優勝を勝ち取ると共に、UCIワールドカップのシリーズチャンピオンに輝きました。
国内の大会でも何度も優勝を勝ち取り、1月にはスポンサー企業の全面協力により専用パークも完成。お披露目会見には多くの報道陣も詰めかけました。
その勢いはさらに加速し、彼の18歳の誕生日でもある2020年2月9日、エストニアで行われた世界一勝つのが難しいとされる大会「SimpleSession」で優勝!
その後も4月に日本国内限定のシグネチャーモデル完成車のリリース、6月中旬には東京オリンピックの代表内定、そして今回のシグネチャーフレームの世界でのリリースと、BMXライダーの夢を次々と実現させて行く中村輪夢。BMXとスノースクートの違いはあれど、Jykkチームということで、スノースクートライダーのみなさんもぜひ応援してくれると嬉しいです!
彼のシグネチャー完成車とフレームの詳細はJykk BMXのサイトでぜひチェックしてみてください。完成車はタイヤサイズ18インチのものもあり、お子様と一緒に乗りたい方にもおすすめですよ。
さて、そんな話題の「シグネチャーモデル」ですが、Jykk Snowscootではこれまでどんなシグネチャーモデルがリリースされてきたか気になるところですよね。というわけで、今回のマガジンでは歴代のシグネチャーモデルをご紹介していきたいと思います。
そもそもシグネチャーモデルとは?
シグネチャーとは「署名」のこと。よって直訳すると「署名モデル」ということになります。
スノースクートも含め、スポーツ用品の場合はその世界のトッププレイヤーの名前を冠し、本人が使用しているものと同じ仕様、または一部が簡易化されたものを一般向けに販売する際に「シグネチャーモデル」という名称が使われています。(参考資料: weblio辞書)
スポーツの世界において「プロ」の定義は様々ありますが、例えばスケートボードであれば「シグネチャーデッキを出して初めてプロと認められる」という考えも根強く存在するそうで、「シグネチャーモデル」を出すことは多くのライダーの夢であると言えるでしょう。
ジック・スノースクートのシグネチャーモデル
Snowscootは1990年代初頭に生まれ、JykkJapanはSunn社の正規輸入代理店としての期間を経て、2000-01シーズンにJykkSnowscootを誕生させました。そこから今までの20年間で、どのようなシグネチャーモデルがリリースされてきたのでしょうか。
正式なシグネチャーモデル以外にも、ライダーのイニシャルが冠された「ライダー開発モデル」やライダーがプロデュースしたグラフィックを採用したモデルも含め、順にご紹介していきます。
内藤醇のJボード・我満隆のGボード 2004〜
2004シーズンにフランスで行われた世界選手権のデュアルクロス(デュアルスラローム)で見事優勝した内藤醇と、同3位の我満隆のプロデュースによる、JykkSnowscootとしては初となるライダー開発モデル。登場したのは2004年で、カタログには「Designed by Jun Naito」「Designed by Takashi Gaman」と記載され、翌2005年のカタログからType-Jボード、Type-Gボードという名称も記載されるようになりました。
後にType-Jは完成車Style-Rに、Type-Gは完成車Style-Fに採用されることになります。
このType-Gボードは細かな改良を重ね、後に「G-1ボード」と呼ばれるようになり、ベーシックシェイプとして各完成車に採用されることになります。癖がなくどんな人でも乗りやすいため、今でもONE-Dに採用されているロングセラーボードです。
Nicolas PillinのX-1ボード 2011〜
伝説のライダー「Nicolas Pillin(ニコ)」のシグネチャーボード。発売当時は「ニコボード」と呼ばれていましたが、後に「X-1ボード」と呼ばれる、今も人気のあのボードです。シグネチャー(サイン)が入ったグラフィックが採用され、カタログに「シグネチャー」の文字が出てきたのはこのモデルが初となります。2013年にはBigJykkという名のニコプロデュースグラフィックモデルも登場。こちらはニコの大好きな映画「ビッグ・リボウスキ」をモチーフに作られたグラフィック。
ニコはこのシェイプのボードと、この数年前に一度発売されたものの、一時市場に出ていなかったヘッドアングル70°のフレームを使用し、世界大会で大活躍。その後70フレームも定番となり、クロスレースでもフリースタイルでも「勝てる」ボード・フレームとして今も人気を博しています。
X-1ボードのDusan Antalikグラフィック 2015
恵まれた長身とBMXライディングの経験から生み出されるスタイリッシュなライディングで人気となったDusanグラフィックモデルもありました。当時このグラフィックのメイキング画像も一緒に公開されたのですが、BMXのタイヤにチョーク?をつけてバースピンをしていますね。BMXライダーでもあるDusanならではのユニークな発想でかっこいいグラフィックに仕上がっていました。
我満隆のStyle-F、Style-G、G-2ボード
G-1ボードの生みの親である我満隆は長い間JykkSnowscootの製品開発に携わっています。G-1ボードを大きく進化させ朝イチのパウダーからパークまでしっかり遊べるボードとしてリリースされたG-2ボードも人気。
完成車もプロデュースしており、トップチューブの深い曲げと足元のセンターパイプが特徴的なフレームとG-1ボードを採用したStyle-Fは、2013-14シーズンにモデル名を「Style-G」に変更し、G-2ボードを搭載してシグネチャーモデルとしてリリースされます。
リリース後もトップチューブ角が70°になり、ヘッドパイプ形状や肉厚が見直され…と、年々進化を続けているGモデル。昨年フレームキットとして発売されたPolka-Dotsグラフィックも人気です。来期モデルも乞うご期待。
Antoni Villoniの70 AP-2特別モデル
ニコやドゥシャンの活躍で人気となった70フレームにAP-2ボードを搭載した70 Antoniモデル。フレームカラーはAntoniモデル限定カラーで、ボードのフレックス、グラフィックもAntoniプロデュースにより制作されました。このグラフィックはアントニが友人のデザイナーに依頼したもので、三角形は家族を意味しているとか。綺麗なフレームカラーも好評で、人気のモデルでした。
自身のシグネチャーモデルを引っ提げ、日本で撮影したこのムービー。まだご覧になっていない方はぜひ!
宮川洋平のR-1ボード
クロスレースを中心に活動している宮川洋平のシグネチャーボード。高速域での高い操作性が要求されるクロスレースで、完璧なボードコントロールができるように設計されたレースモデルです。リリースされた2017-18シーズン、宮川選手はこのボードでJykk主催のクロスレースシリーズチャンピオンの座に輝きました。
ライディングに磨きをかけてアピールすれば、いつかあなたのシグネチャーモデルがリリースされるかも…?思わずAwesome!!と叫んでしまうようなライダーに会えることを楽しみにしています。