“クセが無くて滑りやすい””遊びやすい” が高いバランスで纏まっているボード|我満隆 AK-1インプレッション 前編
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JYKK SNOWSCOOTライダーの我満隆です。
今回のマガジンは、今シーズン発売になりましたジックライダー麻生航太君のシグネイチャーボード “AK-1” のインプレッション!
チームメイトの念願のシグネチャー。とても嬉しく、褒めまくりたいところですが、しっかり辛口インプレッションで行きたいと思います!
まず見た目。
僕的にはブルーも好きなカラーなので良い感じです。
ソールもJYKKのロゴが大きくてかっこいい!
テーブルトップエアーなどソールを見せるようなトリックが映えますね!
フロントボードのトップにはコウタ君のサインが。
上からステッカー貼って隠さないであげてください。
このボード、箱から出した時にまず感じたことが “けっこう軽いな!” ってこと。
X-1ボードをベースに、コウタくんが考えて発展させたボードなのですが、開発する前から聞いていた、”トリックをする時に感じるスイングウェイトを軽くしたい”という所がしっかりと反映されていました。
これは “滑る” という基本的なところにも表れていて、実際に滑ってみると、身体から遠い部分が軽く感じる事、マスが集中している事でスノースクート本体のヨー軸と体幹の距離感が良く、安心感、一体感が高まっている様に感じました。
ボードをじっくり見てみると、リヤボードはキャンバーが強め。
乗ってみるとX-1ボードより柔らかく、また、普段僕が使用しているG-2ボードと比べても少し柔らかく感じます。
ただキャンバーが強めなので、”柔らかい” という表現は間違いで、 ”しなやかなんだけどコシがある” といったほうが正しいかな。
このボード、まずはリヤボードに関して特徴的なところがあります。
接雪点が点ではなく、そこにフラットな部分を作りハイブリッドキャンバーになっていること。
またテール側のキック形状が独特で高さがあるということです。
これは色々な ”動き” が必要になる際にはテール部分のコンタクトパッチが広く感じられて、特にライディングに於いて大事になってくるバニーホップ的な動きをしたときに、そこの部分の安定感からタイミングが取りやすさが抜群に良いと感じました。
高く跳べるという訳ではないのですが、 ”使えるバニーホップ” が ”ラクに行える” 印象です。
バンプやウェーブでパンプを入れた時も、バックサイドに飛び込んだときに撓んだボードが雪面を文字通りキックしてくれる感じが気持ち良く、前に走る印象。
この特性はレースで使っても面白いなと思います。
ターンの入りもリヤボード前側(ここもフラットを作ってある)、爪先下のエッジがスゥッと雪面に入っていく感じがあります。
ターン後半にかけてもボードが短いのにテールのかかり感があり、その短さを感じさせない。
トーションも粘りがあるのにレスポンスもあることから切返しがラク。
パークでも少しライディングしてみました。
ジャンプの踏み切りも感覚が掴みやすく、X-1ボードよりも幅広なので着地も安定傾向。
ちょっとびっくりしたのはレールに乗ったときのグリップ感。
これは ”しなやかだけどキャンバーがしっかりしている” ことからボードそのものがスプリングのように作用してちょうど良くレールに圧を掛けてくれているようでパークライディングではかなり調子良いと感じます。
またキックの形状、高さも良く出来ていて、かなり遊べるボードになっています。
自分のアクションに対してしっかり付いてくる感じです。
コウタくんが調子良さそうにライディングしているのを観ていると、さらにこのボードの良さが伝わってきますよね。
フロントボードも特徴的ですね。
パークライディングや不整地を楽しむ場合、接雪長の長いボードだとタイミングが取りづらかったり、雪面を捉え過ぎて上半身が不安定になりがちなのですが、AK-1ボードはフロントボードが比較的短いまま。
全長で見るとG-2よりは長く、C-1より短い。
なのにパッと見比べた感じではG-2と接雪長はほとんど変わらず。
ロッカーがキツめ高めだからひょっとしたら接雪長はAK-1の方が短いかも?(図面を見てないので本当のところは分かりません)
実際に滑ってみるとやはりフロントロッカーの形状からか?嫌な挙動やクセなんかはほとんど感じられず、膝くらいの深さのパウダーなら余裕でライディングできました。
また喰われた後のパウダー不整地、それが少し硬くなってきた雪面でもフロントボードの余計な引っかかりが無く、前後ボードの短さとしなやかさも相まってリヤが旋回しやすくコントロールしやすい印象でした。
そして、リヤボードの特徴的なテールのおかげで雪煙が上がりやすく、写真映えします!
ボード自体、パウダーボードのように大きくないですが、前後の浮力のバランスが良く、少し沈みながらもフロントが雪面から顔を出すような働きをして軽快に滑れました。
朝イチはパウダーを楽しんで、ゲレンデ、パークとボード変更するのは面倒!ってライダーさんや、初心者から脱却したい、コウタくんみたいなライディングをしたい!ってライダーさんは要チェックなボードですよ。
キャンバーボードなのでコレを乗りこなす事によってライダーのスキルが上がるボードでもあります。
この要素って僕は凄く大事だと思っていて、レスポンスがあるボードは滑りをサポートしてくれて楽しく滑ることができ、結果的にライダーもスキルアップしていきます。
ここまで書いて読み直してみると…
辛口インプレッションするつもりだったけど、悪いところ全然ないじゃーん!
って事で、僕が乗ってもかなり好感触のAK-1ボード。
“クセが無くて滑り易い”、”遊び易い” が高いバランスで纏まっているボードだと思います。
インプレッション後編では、好みの問題というか、僕的に少し気になった部分とその対応策についてお話ししたいと思います。